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援協総合診療所=ドトール南の『薬講座』=正しい知識で健康を!=(2)

ニッケイ新聞 2010年3月17日付け

2、処方薬

 医師が処方する薬は処方薬と言われ、受診後に医師の処方箋によって、薬局、または病院で求める薬です。法律上は一般の発売が禁止されていますが、実際は、薬局において薬剤師の判断で販売を行っている例が見受けられます。
 それなりに、このような薬の販売方法を好む人もいます。実在、急に処方薬が必要になったなどの状況によっては好都合に受け止められます。このような販売方法は他国、日本やヨーロッパなどでは不可能なことでしょう。
 日本在留中のブラジル人は、言葉の問題から解熱剤を買うにでさえ苦労しているようで、ブラジル国内の人から薬を送ってもらう人も多くいます。
 安易に処方薬を購入できるということは、私たちとって必要悪と考える人もいます。しかし、容易で便利になる代わりに、私たちは薬の使用に対して、より注意を深めなければなりません。

【薬の形態】

 薬はいろいろな形で販売されています。錠剤、粉、シロップ、水剤、カプセル剤、座剤、注射、粘着テープ、ポマード、タリム剤などがあります。注射の種類としては、皮膚注射、皮膚内注射、筋肉注射、静脈注射があります。このように薬の形態は、病気の種類と選択の幅を広めるため様々です。

▼錠剤
 「錠剤を真中から割って飲んでいいですか?」
 もし、真中に割線が有る場合は、分割しても薬の特性上、有効成分は失われませんので、割って飲んでもかまいません。
 もし、割線がなければ割ってはいけません。たとえば、割れない錠剤を無理に刃物で割ることは、正しくはない上、治療の効果に影響をあたえます。また、この種の錠剤は、薬物質の要素を飲みやすくするように、表面を糖で覆っているので割れないようになっています。
 錠剤の薬効成分は元々粉であり、粘着性があるので飲みにくいため、固形にし、錠剤に仕上げてあります。その上、錠剤の表面に加工したものは,飲みやすくするだけではなく、いろんな作用の工夫が仕込まれています。
 まず、アスピリンを例にあげるとアスピリンは皆様もご存知のように、昔から抗炎症剤として使用されています。最近特に、抗血板薬として多くの人に用いられています。
 しかし、アスピリンは副作用として胃障害を起こしますので、それを防ぐ方法として、錠剤のコーティング(皮膜)成分、製造方法を工夫し、胃酸力で溶けず、腹液のアルカリの影響で溶けて吸収されるようにし、胃粘膜の発症を防ぐような錠剤が製造されています。
 このような仕組みをポルトガル語でタンポナメントと呼ばれ、この方法で多くの医薬品会社が、アスピリンをいろいろな名前で発売しています。(つづく)