ニッケイ新聞 2010年3月18日付け
日本国政府は、クリチーバ市純心聖母の家・デイケアセンターの「給食調理機器改善計画」に対し「草の根・人間の安全保障無償資金協力」を実施するにあたり、3日佐藤宗一在クリチーバ日本国総領事及び田中綾子同センター理事長との間で資金贈与契約(贈与金額8千米ドル)への署名が行われた。
同センターには長崎純心聖母会から派遣されたシスターたちが、幼児教育、日本語教育、社会福祉活動などを行ってきた。
同地日系社会の高齢化に伴い、高齢者への介護支援が必要と考え、田中シスターが中心となって08年2月「純心聖母の家・デイケアセンター」を完成させた。
クリチーバ文協やボランティアの協力を得て、地域の要介護者向けに健康診断、身体リハビリサポート等を含む総合的なデイケアサービスを行っている。
同センターでは昼食や軽食を提供するが、利用者の増加に伴った調理量の増加により、大型の業務用パン調理機器の購入が必要とされていた。
同センター会議室で行われた署名式には、田中理事長のほか、原ルイクリチーバ市総務局長夫妻、山脇ジョルジクリチーバ文協会長、田村サカエ副会長、尾崎ローザ副会長、柴田尚兵副領事らが出席した。
署名式において、佐藤総領事は「草の根無償援助を通じ、同センター利用者向けのサービスが強化され、要介護高齢者向け福祉活動が一層充実していくことを期待する」とあいさつ。
田中理事長は「同センター開設記念日にあたる本日にあたたかい協力をいただけ非常にありがたい。センター一同の喜びもひとしお」と感謝を述べ「利用者サービスの内容を更に向上させ、引き続き要介護高齢者のケアという役割を果たして行きたい」と力を込めた。