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ヨルダン訪問=通商拡大を呼びかけ=メルコ・ヨルダン貿易協定を

ニッケイ新聞 2010年3月20日付け

 ルーラ大統領一行は18日、ブラジル・ヨルダン財界人会議を以って中東訪問を終了と19日付けジアリオ・ド・コメルシオ紙が報じた。ルーラ大統領は、同会議で次のように述べた。
 ブラジルは、アラブ諸国との貿易拡大に意欲を抱いていることを表明。両国の貿易は04年、80億ドルであった。それが08年、200億ドルへ上昇。4年間に150%も増加した。
 ルーラ大統領は、両国の貿易が多岐にわたることを願っているという。ブラジルでは、商売熱心なアラビア人の行商人に感嘆の辞を送っている。ブラジル人も、アラビア商人の商売熱心に見習う必要がある。
 ブラジルでは50年代、アラビア人をトルコ人と呼んだ。腕に衣服や反物をのせ、家毎に戸口を売って歩く。しかし、パウリスタ大通りやモルンビーには、売りに行かない。1年払いや2年払いで貧乏人に売る。
 ブラジル人もかくあるべきだと、ルーラ大統領はいつも思っていたと語った。庶民に所得を分配して、長期払いで商品を売ることは、経済発展の基本であると今も信じているというのだ。
 08年9月に起きた金融危機は、世界各国の政府に経済の誘導法や金融管理のあり方を再検討させた。金融危機は世界の人々に、時代の激変と頭の切り替えを要求した。長年慣れてきた太平の夢を破ったのだ。
 これまでの金融危機は貧乏国ばかりを襲うものとIMF(国際通貨基金)が思っていた。それが金持ち国をも襲うことを、雲上の天使も誰も知らなかったという。
 新興国が雇用を創出し、庶民の懐を豊かにするには、4つの基本的条件があると大統領がいう。インフレ抑制と投資奨励、貧乏人への所得分配、安定経済だ。
 両国の経済発展のために、ヨルダンとメルコスルの自由貿易協定を締結する必要がある。ルーラ大統領は、特にエネルギーと航空機部門、インフラ部門への投資を招いた。目下、エジプトと自由貿易協定を交渉中。