ニッケイ新聞 2010年3月30日付け
【リマ共同=名波正晴記者】南米のペルーを訪問している原口一博総務相は21日、首都リマで開かれた地上デジタル放送に関する国際会議に出席、ペルー、ブラジル、アルゼンチン、チリの南米4カ国と「リマ宣言」に署名し、日本方式の普及に向け協調していくことを確認した。
地デジ日本方式の拡大を目指す国際会議は初めてで、4カ国は日本方式を採用しているか、採用を決めている。原口総務相は署名後、「(日本方式の導入で)南米の新たな未来を開くことになった。日本にとっても科学技術のさらなる普及に向けた第一歩だ」と述べ、南米地域で日本方式の拡大に取り組む考えを表明した。
会議にはベネズエラとエクアドルがオブザーバーとして参加し、原口総務相は両国にも日本方式の採用を働き掛けた。ベネズエラのチャベス大統領は日本方式の採用に意欲を示しており、採用に前向きとされるエクアドルは11月ごろに正式決定する見通しだ。
日本方式は電波障害などに強く、携帯電話向け地デジ放送(ワンセグ)を無料で受信できるなどのメリットがあり、自然災害情報の速やかな提供などが期待されている。
会議にはペルーのコルネホ運輸・通信相やブラジルのコスタ通信相らが出席、それぞれ冒頭のあいさつで日本方式の優位性を訴えた。