ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 値下がり続くエタノール=ガソリン混合率引上げか

値下がり続くエタノール=ガソリン混合率引上げか

ニッケイ新聞 2010年4月1日付け

 雨によるサトウキビ収穫の遅れや収量減、国際的な砂糖不足などで国内供給にも支障をきたし、値上がり続きだったエタノールが、値下がりに歯止めがかからない状態になっている。
 3月30日付伯字紙やG1サイトによると、3月初めはリットル当り2レアルを超えた小売価格の先週の平均は、1・762レアル。サンパウロ市では、リットル当り1・24レアルのガソリンスタンドまであるという。
 この価格低下で、全国的にガソリンの方が割安とされた状況も変化し、サンパウロ州などでは、今年半ばまではエタノールの方が割安になる見込みだ。
 31日付フォーリャ紙によれば、1月中旬に1・2055レアル/リットルだった含水アルコールの税抜きプラント出荷価格は、9週間で39%値下がりし、0・7572レアルまで下落。小売価格も、6週間で19%値下がりと、値崩れ幅が大きい。
 こうした状況を受けてアルコールプラント各社は、ガソリンに対する無水アルコールの混合率を、従来の25%に引き上げるよう要請中。
 この混合率は今年2月、エタノールの市場供給量拡大のために20%に引き下げられたもの。政府では5月に25%へ引き戻す予定だった。
 サンパウロ州砂糖キビ加工業者連合(Unica)のアントニオ・P・ロドリゲス技術部長によれば、混合率の引き上げ前倒しは、月1億リットルの無水アルコールの需要拡大につながる。