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〃復活〃の日待つキリスト像=幕がすっぽり旅行者ガッカリ
ニッケイ新聞 2010年4月2日付け
ブラジルが誇る世界でも最も有名なリオのモニュメント、コルコバードの丘のキリスト像が、約2カ月間も見られなくなる。1日付けエスタード紙によれば、3週間以上前から鉄筋の足場と防護網で覆われ、風雨や雷にさらされてできた損傷部の修復作業が進められている。6月に〃復活〃した姿がお披露目される予定。
修復は、職人によって1平米ずつ綿密に測量され、くぼみや欠けやすい部分を探すためにゴムでできたハンマーが使われている。大空に向かって腕を広げる像の右手部分を修復する建築士のヂオゴ・カプリオさんは、「高さと風が一番やっかい」と同紙に対してコメント。
約150万ものペドラ・デ・サボン(石鹸石)のタイルの張替えが行われ、モニュメントの足元の汚れもきれいに取りのぞかれるという。
時間とともに、腕や顔の汚れや、雷による手の指、頭、眉など末端部分の損傷が目立っていた。リオのオラニ・テンペスタ大司教は、「悪天候のために像を覆うタイルがはげてしまっていた。修復作業や防水加工をする必要があった」と前向きに話しているという。
だが、地元ガイドらによれば、知らずにリオを訪れ、ガッカリする外国人旅行者が多いという。今更日程を変えるわけにもいかず、マントを被ったキリスト像を見に訪れている人もいるようだ。