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肥満大国ブラジル?=飢餓ゼロ政策も過渡期か

ニッケイ新聞 2010年4月8日付け

 ブラジルは栄養不足を改善し、肥満大国に―。7日付エスタード紙は、ブラジル市民の食生活で栄養不良は改善されている反面、肥満者割合が増加していると報じた。
 保健省によると、都市部に住む成人人口の43・3%が標準体重を超過、10%が肥満症状。児童に関しても、15%が肥満予備軍、5%が肥満児と報告された。IBGE(ブラジル地理統計院)の観測でも、幼少年の肥満現象は過去20年間で2・4倍に増えていると示されている。
 ブラジル肥満メタボリックシンドローム改善協会のロザーナ・ラドミンスキ会長は、「食生活は豊かになったが、誤った食事のとり方をしている」と指摘している。
 また、安価で糖分、脂肪分を多く含んだ食物の消費が拡大していることから、肥満者の増加現象は貧困層の間で特に増えているという。
 同氏は、「ルーラ政権のフォーメ・ゼロ(飢餓ゼロ)政策も、過渡期を迎えている。次のステップは市民に健康的な食生活を広めること」と強調する。
 サンパウロ市などでは、公立・私立校の食堂等で販売する飲食物に制限を加える条例制定の動きもあるようだ。