ニッケイ新聞 2010年4月14日付け
国道フェルナン・ジアス(BR381号)とレジス・ビッテンコート(BR116)は民営化から2年経つものの、不安定な状態が続いている。落札したOHL社は、連邦政府の料金値下げ圧力のせいで、交通改善や路面整備などの必要な投資さえできていない、と11日付けエスタード紙が報じている。
ミナス・ジェライスとサンパウロ州をつなぐフェルナン・ジアス国道は、同国道を頻繁に使う運転手達にとって、我慢のならない状態だという。部分的な工事があちこちで行われ、車線が減らされているからだ。
ベロ・オリゾンテ方面行きの道路は、大都市マイリポランのある79キロ地点で3月から遮断。坂が崩れて高架橋に影響を及ぼしているため、街の中に迂回路が設置され、再開の見通しは6カ月後。60と64キロ地点でも堤防が崩れ、道路が崩れる恐れがある。
南部とサンパウロを結ぶ主要なレジス国道は、傾斜地の補強と緊急修復を施すだけで精一杯の状態。ジュキチーバ~ミラカツ間のセーラ・ド・カフェザル郡の30・5キロに及ぶ危険区間複線工事は、2013年に延期された。
同紙が先週行ったサンパウロ州の299・7キロに及ぶ現場調査によれば、車線減少か迂回路を設置するかっこうで21カ所が交通止めとなっていた。再開のめどがついていないケースもあるという。
特にバーハ・ド・トゥルボ地域のミラカツ~ジュキア間での路面損傷がひどく、運転手から苦情が絶えない。OHL社は他の復興工事を優先させ、再舗装まで手が回らないのが現状のよう。
民営化後は道路周辺での不正規の物売りの取り締まりすらできていない、と同紙は無秩序さを指摘。長距離トラック運転手にとって駐車場不足は深刻で、強盗殺人にも繋がっているという。子供が道端で小銭を拾って遊んだりしているほか、児童売春も行われているようだ。
このセマーナ・サンタ(聖週間)だけで69件の事故が発生。内34件の事故では被害者が出ており、48人が負傷し、4人が死亡している。
2007年11月から25年間の契約で国道管理するOHL社は、セーラ・ド・カフェザル郡の複線工事に3億レアル、全契約期間では38億レアルを道路改善に投資する予定になっている。