ニッケイ新聞 2010年4月16日付け
リオの有名サンバチームと犯罪組織の関係がまた一つ明らかになった。エスコーラ・デ・サンバ・ビラ・イザベルのウイルソン・ビエイラ・アウベス会長、通称〃モイゼス〃が13日、連邦警察がリオ州ニテロイ市などで行っていた不正ゲーム機疑惑捜査「オペラソン・アウバラ」で逮捕されたと、14日付け伯字紙各紙が報じた。
14日付けエスタード紙によれば、逮捕されたのは8人の警察官を含む全24人。同時に拳銃2丁、現金38万6千レアルも押収された。法律で禁止されているストッロマシーン(賭博ゲーム機)をおいたバールや賭博場を見逃す代償として警察が賄賂を受け取ったり、その仲介をする組織が摘発の対象となった。
コスタ・リマ捜査官は「スロットマシーンの押収は何の解決にもならない。我々は組織の壊滅を目指す」と今回のモイゼス容疑者逮捕に関してコメントしている。
サンバチームのベイジャ・フロールのアニジオ・アブラオ・ダヴィ名誉会長が、07年と08年にはそれぞれ同様の罪で逮捕されている。07年にはリオのカーニバルを主催するリオ州サンバ協会(Liesa)のアイルトン・ギマランエス・ジョルジ会長、通称〃カピトン・ギミマランエス〃も逮捕されており、長年噂されているリオのサンバ界と犯罪組織との癒着が今回また一つ明らかにされたようだ。
14日付けグローボ・サイト記事によれば、同サンバ協会のジョルジ・カスタニェイラ会長は、「あくまでモイゼス個人の問題であり、ビラ・イザベルの印象に悪影響を与えることはない」と述べている。