ニッケイ新聞 2010年4月16日付け
ブラジル三菱東京UFJ銀行の頭取交代レセプションが14日夜、サンパウロ市ホテルで行われ、約200人の日系企業などの関係者が集まった。2004年に副頭取として着任し翌年から頭取を務めた竹内明氏の後任には、駐伯歴13年の村田俊典氏が着任。08年の創立75周年式典同様に、本社から田中達郎副頭取、NYの川俣喜昭米州本部長、松尾宏NY支店長が駆けつけるなど、中南米とりわけブラジルへの強い意気込みが伺われる式典となった。
東京銀行前身である横浜正金銀行リオ支店創立から数えて91年、三菱銀行前身のカーザ東山銀行部設立からなら77年という日系進出銀行の中で最古の歴史を誇る同行。
簡単に歴史を振り返った田中副頭取は、ブラジルを最重要戦略地と位置付け、「いかに皆様の発展に貢献できるか日伯で議論を重ねてきた。村田は当行ナンバー1のブラジルエキスパート、最適と確信している」と紹介し、「フルに活用して欲しい」とあいさつした。
ルーラ政権発足から1年後に着任した竹内前頭取は、「本当にブラジルが良くなっていくのか半信半疑で、今の状態はとても想像できなかった。非常に充実していた」と振り返り、プライベート面では「人を癒してくれるブラジルという国がとても好きになった。ブラキチです」と自らを評して笑いを誘う場面もあった。
「ブラジル人の血が半分流れている」と自己紹介した村田新頭取(49)は、87年には自ら望んでブラジルで研修を積むなど、20代から注目していた。「90年を超えるバトンの重みと使命をひしひしと感じている」と表情を引き締め、「(日本企業などの)ビジネス発展に全力で取り組みたい。日伯の掛け橋になれれば本望」と力強くあいさつし、歓迎の拍手が送られた。
その後は川俣米州本部長の発声で乾杯が行われた。