ニッケイ新聞 2010年4月17日付け
15年目にして、モジのカザロン・ド・シャ修復プロジェクトの第2期工事が終盤を迎えつつある。推進者の中谷哲昇さんは、「サンパウロ文協内ですら史料館を認める人が少ないと聞くが、移民資料は宝。目を向けて欲しい」と嘆いていた。
2年弱前、山中三郎記念バストス地域史料館で水野龍の日記を拝見。今では移民の父と呼ばれる水野が、当時どんなことを考えていたのか、と強く興味を引かれた。と同時に雨漏り、白アリ被害の激しい資料館で心細くなったのを思い出した。
2008年の80周年記念事業として挙げられた同館改修は、未だに進んでないとも聞く。
〃日系文化〃のような変化し馴染んでゆく無形文化の一方で、有形文化は形をほぼ変えることなく、いつでも〃本物〃に触れられる良さを持つ。当時の精神もそこから感じ取れるはずだ。(親)