ニッケイ新聞 2010年4月20日付け
17日付エスタード紙によれば、大統領選挙に向けPSDB(ブラジル民主社会党)のジョゼ・セーラ氏が正式な出馬表明して5日後の15、16日にダッタフォーリャが同氏出馬表明後初めての世論調査を実施し、その支持率はセーラ38%、PT(労働者党)のジウマ・ロウセフ氏28%で両氏の差は10%に留まった。
3月末時点でロウセフの27%に対し、セーラは36%で9%をリードしており、同氏の正式な大統領選出馬の表明による影響が注目されたが、その差は1%増しの10%で、統計上では大きな変化は表れなかったとされる。
この状況の中、2氏以外の候補者では、マリーナ・シルバ氏(PV=緑の党)が8%から10%に支持率を上げ、シロ・ゴーメス氏(PSB=ブラジル民主社会党)は11%から9%へ下げた。調査では全体の7%が無投票を示し、8%の人が検討中と回答している。
セーラは2009年からの支持率37%を確実にキープし、ロウセフ氏も今年に入り、常に27、28%という数字を保っている。
一連の調査で明らかとなったのは、ゴーメスの支持率の低下。昨年12月には13%だったものが、2月には12%、3月は11%、今調査で9%と徐々に減少している。ほぼ同率だったゴーメスとシルバだが、今調査で、初めてシルバがゴーメスの支持率を抜いている。
まだ正式な出馬が決定していないゴーメスを除いたアンケート調査では、セーラ42%に対し、ロウセフ30%で両氏の差は12%へと多少広がり、ゴーメス氏の票はセーラへと流れる構図となったようだ。
セーラとロウセフの決選投票では、セーラ50%、ロウセフ40%で先月末の48%、39%に比べ両氏共に支持率を伸ばした。ロウセフとゴーメスの決戦投票では、ロウセフ47%、ゴーメス36%。セーラ対ゴーメスでは、56%と29%で大幅に差が開いた。
PSDB側では今回の調査結果を肯定的に捉えているのに対し、PT側ではセーラの出馬表明後にも、ジウマの支持率が以前のまま維持できた点を高く評価した。
また別のアンケート調査では、各候補者がどの政党に所属しているかを知らない人が多く、セーラがPSDBと認識している人が28%、同様にロウセフに関しては47%、シルバ20%、ゴーメス9%という数字が出ている。ロウセフの支持に関しては、政党以上にルーラ大統領支援の影響が大きいとされている。