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ミナス検察局が裁決=トヨタのカローラ販売差止め=事故原因の解明急ぐ

ニッケイ新聞 2010年4月23日付け

 ミナス州政府が、トヨタカローラの販売差止め―。ミナスジェイラス州検察局の裁決により、世界でアクセルペダルやブレーキの欠陥で大量リコールが行われているトヨタ自動車のカローラが、22日より同州内でも一時販売が中止されることが発表された。22日、伯各紙が報じた。
 昨月、ミナス州議会で開かれた公聴会の場で、同車の欠陥と推測される被害が報告された。パトリシア・コレア・モウルテさんは、車庫入れをしている最中、ブレーキが利かなくなり壁に衝突したと証言。マリア・ド・カルモ・バーロス・デ・メロさんの場合、信号待ちをしているところ、車がひとりでに急発進した。同車の欠陥による事故とみられるもので、すでに怪我の被害も確認されている。
 こういった状況を受け、今月頭に開かれた州議会で、同州検察局に対する、同車の欠陥に関する調査依頼が提出されていた。
 ブラジルトヨタ自動車では、ブラジルの生産に使用されたアクセルペダルなどの部品は、現在リコールを行っている国々で使用されたものとは別の部品で、特に欠陥は認められず、国内でのリコールの必要性はないと主張している。
 同社は、今回報告された事故に関しては、フロアマットの取り付け不備によるアクセルペダルへの巻き込みが原因である、と発表した。
 しかし、同州消費者保護センターはフロアマットの取り付け不備に関する警告は十分に消費者まで知らされておらず、危険な状態にあるとみなし、また、自動車内部の欠陥である可能性も否定できないと判断した。
 今回の処置は、同センターの申請により州検察局から同車の販売差止めが発表されたもので、同センターでは、明確な事故原因が判明し、今までに販売された同車のフロアマット交換が完了するまでは、当面販売は禁止するという条件を突き出した。
 現在のところ、同車は米国、ヨーロッパ、カナダ、中国で自主回収が始まっており、その数は850万台以上にのぼると見込まれる。
 米国では数カ月に渡る同車の欠陥事故で、すでに19人の死者がでていると報告されており、今年1月から大部分の州で回収作業が行われている。米国に設置される世界最大規模の同社の自動車組み立て工場は、回収作業開始が遅れたことに対し、今週、1640万米ドルの罰金が課せられたという。