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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2010年5月4日付け

 「昭和の日」から始まるゴールデン・ウィークで日本の人たちは忙しい。田舎に帰ってのんびりしたいとするサラリーマン。久しぶりに仕事を離れ温泉を楽しむといそいそと出かけるご夫婦と子どもら。年に一度の長い休日なのだから、ゆっくりと昼寝でもしたらいいのにとも思うが、いや―連休だからこそ遊ぶのだと、どこまでも多忙なのが日本人らしい▼成田も関西空港も海外へ出かける人々でいっぱい。1日に4万人もの乗客が詰め掛けた成田も、近頃のブームをちゃんとご存知らしく驚きのようすもない。まあ、1年に1700万人とか2000万とかがやれアフリカだインドネシアとかへ気軽に旅立つのだし、国会議員や大臣どのも骨休めのためかひょいと飛行機に乗り、何処かの国へと飛んで行く▼我が総理大臣・鳩山さんは、きょう4日沖縄の那覇へ。こちらは遊びではなく、難問の普天間基地移転を抱えての苦難の旅である。仲井真知事と会談し、辺野古に杭打ち桟橋(QIP)を造る話をして了解を取り付けるのが狙いだろうが、あの沖縄県民から「はい、わかりました」の返事が貰えると考えているのなら―おかしい▼徳之島住民らは受け入れ反対。社民党は、QIPでも「駄目です」とを表明し、もし政府が突っ走れば「連立から去る」と厳しい。米は自民政権との合意に拘っているし、この課題は重くも苦しい。事は日本の根幹に拘るのであり、瀬戸物の叩き売りのようにペラペラと県外へ―と口を滑らすのは禁物である。支持率も急落して20%。小沢幹事長辞任論は83%。鳩山内閣も非常事態となったのを努々お忘れなく。(遯)