ニッケイ新聞 2010年5月5日付け
PSDB(民主社会党)から10月のサンパウロ州上院議員選挙に出馬すると見られていたジョゼ・アニバル下院議員が辞退を表明し、元サンパウロ州官房長官のアロイジオ・ヌーネス・フェレイラ氏が出馬の意向を示していると4日付エスタード紙は、報じた。
アニバル氏は、「大統領選挙を控えた重要な時期に、党内で余計なストレスや緊張感を生み出す必要はないと考え、議席を譲ることにした」と、今回の辞退の理由を語っている。
大統領選に出馬するジョゼ・セーラ氏(PSDB)が州知事を務めたサンパウロ州は、同党内でも大統領選挙の最重要選挙区とみなされており、同氏の出馬辞退とアロイジオ氏の出馬決定に向けた党内の統一のとれた動きは、セーラ氏の選挙活動を支援するものとなると期待される。
元サンパウロ州知事のジェラルド・アルキミン氏(PSDB)も、「アニバル氏の決定は、サンパウロ州でのPSDBの結束を高めるものとなった」と判断。正式な出馬表明は、8日午前に行われる予定だ。
また、PT(社会党)でも、4月24日に開かれたサンパウロ州PT党大会でアロイジオ・メルカダンテ上院議員がサンパウロ州知事選への出馬を正式に表明する一方、知事選出馬を辞退したマルタ・スプリシー元サンパウロ市長が上議選出馬表明など、大統領選を左右するサンパウロ州での政党支持率獲得に力を注いでいる。