ニッケイ新聞 2010年5月6日付け
4月20日に行われたパラー州シングー川のベロ・モンテ水力発電所の入札後、コンソーシアムの再編などで各企業が必死になっている様子を、5日付けエスタード紙が報じている。
カマルゴ・コレアやオデブレヒトなどの大手建設会社は、投資グループ参加を避けて工事プロジェクトを請け負うのみで、発電所管理には関わらない方向。エレトロブラスChesfが主導するコンソーシアムの再編成では、大手建設会社のケイロス・ガウヴォンらの参加率が規定の20%を超える40%に達しており、この参加比率を減らさなければ他企業の入りこむ枠がない。「狭い参加枠を狙って各企業が狂ったように競い合っている」と関係者。
政府による推定投資は190億レアル、総コストは300億レアルにのぼるとされるが、確かな利益が見込まれている。
同発電所建設に20年近く抵抗を続けるシングー川の先住民カヤポ族のラオニ酋長は4日、自著出版のために滞在中のフランス・パリで地元メディアに出演。サルコジ大統領やシラク元大統領との会見も控え、同建設反対への強力な共鳴者を得たいところだ。ラオニ酋長は、4月22日からフェリーのシングー川横断阻止を指揮するなど、新たな抵抗運動を展開していた。
数週間前には、映画「タイタニック」「アバター」の監督ジェームズ・キャメロン氏が先住民の申し立て擁護を宣言するなど、様々な非政府組織がダム建設を批判している。