ニッケイ新聞 2010年5月6日付け
1999年11月3日にサンパウロ市のモルンビー・ショッピングで起きた殺人事件で、サンパウロ州の高等裁判所が4日、ショッピング側に賠償責任はないとの判決を下したと5日付エスタード紙が報じた。
同事件は、医学部学生だったマテウス・ダ・コスタ・メイラ容疑者が映画館内で銃を乱射し、3人が死亡、4人が重傷を負ったもの。メイラ容疑者は48年9カ月の実刑判決を受け、出身地のバイア州で服役中だが、賠償請求はショッピング相手に行われていた。
判決内容を聞いた遺族の1人は驚きを隠せないが、専門家は、ショッピングなどの公共施設には施設や利用者に対する警備その他の治安保持義務があり、ショッピング内で事件が起きた以上、施設側にも責任が生じるはずという。
高裁レベルで施設側に有利な判決が出たのは初めてで、今後、同種の事件が起きた場合の判決にも影響が出てきそうだ。