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ペルジーゼスで危険信号=強盗多発に注意呼び掛け=私服警官も張り込み

ニッケイ新聞 2010年5月15日付け

 サンパウロ市西部のペルジーゼス区では今年に入り自動車を狙った強盗事件などが相次ぎ、周辺住民からの強い要請を受けた警察では、14日から同地区に私服警官なども配置して地域の防犯体制を強化した。14日付エスタード紙が報じた。
 今年1~4月の強盗事件は、同区トゥクーナ街で18件、トゥリアスー街で15件の被害届けのように、2つの通りだけで33件。昨年度同期のトゥクーナ街での被害数14件などから見て、明らかに増加傾向にある。
 さらに、先週から今週にかけてアピナジェス街では強盗犯に銃撃される事件が2件発生し、1人が死亡するなど深刻な事態に発展した。
 こういった治安の悪化で、付近の住民や同区にあるカトリック大学(PUC)からの強い要請を受けた軍警では、同区でも特に危険度が高いトゥクーナ、アインベレ、アピナジェス、デゼンバルガドール・ド・ヴァーレ、カイオヴァ街などに私服警官やパトカー、バイクの巡邏隊まで動員しての容疑者割り出しなどを行う。捜査期間の目処は立っていない。
 警察の調べによれば、事件は午後7~9時に多発しており、被害者の大部分は女性で、事件発生時に1人でいるケースが目立つという。
 被害者のほとんどが、アパートの駐車場入り口で車を止めた時に、自動車の盗難にあっている。トゥクーナ街の場合も、18件の事件のうち2件が通行者を狙ったもので、残り16件が車庫入れで停車した時を狙った強盗だった。犯人は、武装した2人以上のグループが多いとされる。
 警察側では、死角となるバンカ付近に車を駐車しないこと、待ち合わせの場合も車から降りて別の場所で待機すること、駐車場に車を入れた後も車内に留まらないことなどの注意を、住民らに呼びかけている。
 同区では、生い茂った街路樹で街路灯の照明が遮られる、薄暗いなどの懸念も挙がっており、警察側がその状況をサンパウロ市に警告。今後、市当局がその改善にあたる。
 また、ペルジーゼス地区治安協議会では、アパートやオフィスの警備員同士が無線を使用して不審人物に関する情報を交換し合うといった、地域ぐるみの治安改善プロジェクトも推進しているようだ。