ニッケイ新聞 2010年5月19日付け
15、17両日発表された次期大統領選での支持率調査によると、民主社会党(PSDB)候補のセーラ氏と労働者党(PT)候補のジウマ氏の支持率が逆転する場面が出始めた事を16日付エスタード紙や18日付伯字紙などが報じた。15日発表の調査はVox Populi、17日発表の調査はSensusによるものだった。
16日付エスタード紙が報じたVox Populi調査は、TVバンデイランテスが8~13日に117市2千人の有権者対象に行ったもの。
今回のジウマ氏支持率は38%で、4月の33%から5ポイント上昇し、4月の38%から3ポイント下降したセーラ氏の35%を3ポイント上回った。統計上の誤差は2・2%のため、実質的には両者互角といえる結果だ。
同調査での緑の党(PV)のマリーナ・シウヴァ氏支持率は8%で、4月の7%から1ポイント上昇した他、未定が22%から19%に減少している。
また、18日付伯字紙が報じたSensus調査は全国運輸連合(CNT)が依頼したもので、10~14日に24州136市で2千人の有権者対象に行われたもの。
立候補の可能性がある人物11人の名を示した場合の支持率は、ジウマ氏35・7%、セーラ氏33・2%、マリーナ氏7・3%だった。
ただし、正式に出馬表明済みの3候補のみを対象とした場合、セーラ氏37・8%、ジウマ氏37%、マリーナ氏8%となり、順位は逆転。2・2%の誤差修正後のジウマ、セーラ両候補支持率は、いずれの場合も実質同率となる。
同調査が同時に行った決選投票での支持率は、ジウマ氏対セーラ氏の場合、41・8%対40・5%。ジウマ氏対マリーナ氏の場合は51・7%対21・3%、セーラ氏対マリーナ氏の場合は50・3%対24・3%となっている。
両候補の支持率の差は徐々に縮まってきていたが、ジウマ氏が1位に躍り出て来るタイミングが一部の予想以上に早かったのは、ルーラ大統領の根強い人気とテレビなどを使った宣伝効果の表れといえそうだ。
現時点でもルーラ大統領の支持率は76・1%と高い事と、調査期間中にPTがラジオとテレビで流した番組が専らジウマ氏宣伝用だった事が、同氏の知名度を押し上げたといえよう。
PT関係者からは、大統領が「ジウマは私が推す候補」と公に宣言しさえすれば、決戦投票も不要との強気発言も出始めたが、PSDB側は、自分達にはテレビなどでの宣伝は許されておらず、同じ土俵に立った上での調査ではない事を強調。ダッタフォーリャやIbope調査の結果も見る必要があるが、同じ土俵に立ってからは、セーラ氏が再びリードする事になると反論している。