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国の競争力をそぐものは=高い税金やインフラ不足

ニッケイ新聞 2010年5月21日付け

 世界58カ国の競争力について、スイスのIMD研究所が出した今年度の統計が19日に発表され、ブラジルは前年より2つ上の38位につけたと20日付伯字紙が報じた。
 07年の49位から年毎に改善しているブラジルだが、雇用状況や国内の景気では16、19位につけている一方、外国企業の国内進出や国際売買契約などに際する法的手続きの煩雑さや税金の高さなどは、他国との競争力をそぐ要因の一つだ。
 これら政府がらみの部門評価は52位と低く、港湾や道路、鉄道網の整備、通信網の拡大などの基幹構造(インフラ)部門での49位と共に、改善が必要な部分だ。
 20日付エスタード紙には、現在の税制やインフラでは、6%とか7%といった経済成長維持は無理とのアルミニオ・フラガ元中銀総裁の言葉も掲載されている。
 いくら工業生産が伸びても、消費地や港などへの輸送手段や搬送路の整備不足で効率的運輸が不能なら、販売力低下や生産削減の必要まで生じかねず、税金として吸い上げられる収益は、企業の競争力や国民の購買力にも影響する。
 減税処置終了間際の駆け込み需要などで加熱した第1四半期の経済は、9・85%という驚異的な成長率も記録したが、ギド・マンテガ財相は、今年度の国内総生産成長見込みを5・5%と上方修正しつつも、経済活動は減速し始め、超過熱の事態はないと19日に発言。それを裏付けるかの様に、減税終了後の4月の自動車販売は30%超の落ち込みとも報じられた。