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選挙法改正開始はいつ?=鍵を握る裁判所と大統領

ニッケイ新聞 2010年5月22日付け

 【既報関連】贈収賄や公金横領などの罪を問われている者の選挙出馬禁止や、被選挙権剥奪期間延長などを盛り込んだフィッシャ・リンパ法案は、19日の上院本会議で全員一致で承認されたが、法案の適用開始時期については、専門家の間で意見が分かれている。
 同法案発効に大統領裁可が必要な事はもちろんだが、文中の表現が1カ所変更された事で、同法案発布前の犯罪が対象となるか否かの判断が難しくなったためだ。
 最終的には高等選挙裁判所の判断待ちとなるが、同裁判所の判断次第では最高裁判断を仰ぐ必要が生じる可能性や、同法案の下院差し戻しもあり得るという。
 また、司法判断が速やかに下って大統領裁可となった場合も、6月9日までに裁可、発効とならなければ、今年10月の選挙出馬予定者への法案適用は見送られる。
 同法案の適用対象となるか否かが問われる例の一つは、20日に最高裁判決が出た、元クリチバ市長の谷口カシオ下議の場合。1997~2000年の任期中に、世界銀行からの貸付金490万レアルを、計画に含まれていなかった家屋の立ち退き費用として、正規の手続きも経ず使用した事で、6カ月の実刑判決が出たものだ。
 告訴されたのは2002年だが、事件は2004年で時効となっているため、本人が刑に服す必要も政治活動を停止する必要もない。
 ただし、フィッシャ・リンパ法案が今回の選挙から、それも発効前にさかのぼって適用された場合、被選挙権剥奪期間が8年となるため、同下議の選挙出馬は不可能となる可能性がある。