ニッケイ新聞 2010年5月25日付け
選挙高等裁判所が21日、ルーラ大統領やジウマ氏、サンパウロ州知事選候補のアロイジオ・メルカダンテ氏、カルロス・ルピ労働相、サンベルナルド・ド・カンポのルイス・マリーニョ市長、労働者党(PT)などに罰金を科したと22日付伯字紙が報じた。
4月10日に行われた労働組合系の集会での言行が、前倒しの選挙活動とみなされたもので、労組リーダー2人にも罰金が科せられた。
前倒しの選挙活動による大統領への罰金は3月18日以降4度目で、今回の額は1万レアル。
現職大統領が選挙法違反に問われる事自体が異例だが、サンカルロス連邦大学のマルコ・アントニオ・ヴィラ教授は、ルーラ大統領が選挙戦への直接的な干渉を繰り返しているのは非常に深刻な問題で、いずれ違う形の罰則適用が必要となるとの見解を発表。
「自分が選んだ候補者が自力で歩けないと知っているから干渉する」と分析する同氏は、ルーラ大統領も、米国大統領らが後継の大統領選出の際に1選挙民として良識に従った行動をとったのを見習うべきだと警告。
執務が少ない週末のみに選挙支援との大統領発言には、「大統領は週末であっても大統領」で、キャンペーン会場で大統領を見た人は誰も1市民としての行動とは見なさないと明言した。