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違法なヘリ発着所閉鎖=ANACがサンパウロ市16カ所で=病院、エアタクシーも

ニッケイ新聞 2010年5月28日付け

 ANAC(国家航空庁)は26日、昨年の新条例制定後に運営許可が取り下げられていたサンパウロ市内にある民間のヘリコプター発着所16カ所の閉鎖に乗り出した。26、27日付け各伯字紙が報じた。
 サンパウロ市では452台のヘリコプターが登録されており、それはニューヨークの登録台数445台も越え、世界で最大のヘリ所有都市。1日のヘリの発着回数は平均約200回で、F1など大規模なイベントが催される日には400回に昇り、年間には約7万回の飛行を数える。
 一方で、ANACに登録されているヘリ発着所272カ所のうち、サンパウロ市都市開発局の使用許可がある発着所はわずか85カ所。都市部上空を飛行するヘリの利用には、住民からの苦情も挙がっていた。
 昨年10月にカサビサンパウロ市長のもとで採択された新たな条例で、ヘリ発着所の使用時間は午前6時から午後11時に限定し、騒音は95デシベルまでと規制された。
 設置条件に関しては、地上25メートル以上、近隣の学校から300メートル以上離れていること、他のヘリ発着所より400メートル以上離れていることなどが定められた。
 サンパウロ市開発局の使用許可を必要とする発着所187カ所のうち、約40件は許可申請が却下されている。今回閉鎖される16カ所は、新条例発効後に許可申請を提出し、却下されたものばかりだ。
 閉鎖されるヘリ発着所はイタイン・ビビの6カ所、サンパウロ市南部ルイス・カルロス・ベリーニ大通りの3カ所のほか、パウリスタ大通り、モルンビー、ブタンタン、モエマに設置されているものが対象となった。
 これらの発着所には商業ビルの屋上に設置されるもののほか、アルヴォラダ病院や1時間あたり料金800~9500レアルのエアタクシーとして、日に約15回の飛行を提供する企業で使用されていたものも含まれている。
 26日以降に使用が確認された場合は、日に8千レアルまでの罰金が科せられる。発着所地面には、空中からパイロットが認識できるように×印が記される。
 27日付エスタード紙では、カサビ市長が26日ジャグアレーとカンポ・デ・マルチにある共同航空機発着所の24時間の利用を認めたことも公表された。