ブラジル国内ニュース(アーカイブ)
いじめなしは過去の夢?=自治体の取組みや判例続出
ニッケイ新聞 2010年6月9日付け
「学校でのいじめはない」と聞いてうらやましがる日本人も多かったブラジルで、いじめ対策の必要が叫ばれている。
ブラジルでの〃いじめ〃にはBullyingという言葉をよく使うが、意味するところは「個人や複数の被害者に苦痛や不安、屈辱感などを味わわせるため、個人やグループが故意に繰返し行う肉体的、精神的暴力」だ。
実際には、09年11月20日にサンパウロ州グアルーリョスで14歳少女が気絶するまで殴られ、母親が下手をすれば命を落とすところだったと述懐。5月19日には級友をいじめたミナス州の私立校7年生に8千レアルの賠償金支払命令など、校内暴力の一部とされていた事件もいじめとして扱われる様になってきた。
4月30日にはサンタカタリーナ州検察局がいじめ反対キャンペーンを開始。サンパウロ市でも今年は市立校全体で防止を呼びかけるなど、自治体単位の取組みも行われている。
社会の荒廃が青少年の心も荒廃させ、他者への暴行で快感を味わうサディズム蔓延を招いたとの声も出ているが、子供の起こす暴行事件では、当然、親の養育責任も問われる事になる。