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原田清著=『ブラジルの日系人』=日本語版を18日刊行

ニッケイ新聞 2010年6月12日付け

 08年1月に百周年を記念して刊行された『O NIKKEI NO BRASIL』の日本語版『ブラジルの日系人』の発刊パーティが〃移民の日〃の18日午後7時から文協貴賓室(R. Sao Joaquim, 381)で行われる。
 原田清弁護士が全体をコーディネートし、有識者11人と共に執筆に加わっている。日本移民導入前の歴史から説き起こし、百周年のイベントから初の日系上議誕生までの日系躍進の歴史を、二世側から見た移民史となっている。
 原田さんは「ペルーや米国より、ブラジルの日系人の方が進んでいる。一番日本文化を残し、政治家なども多く輩出しているからだ」と分析する。
 本の特徴を問うと「特定の家系を賞賛するような本じゃなく、日系社会全体について書いたもの」という。勝ち負け紛争で下げた日本移民への評価を、二世が一生懸命勉強して60年代に社会進出するなかで挽回し、百周年で華々しく祝われるまでになった軌跡が綴られているという。
 「今の三世、四世は日本文化を知らないのが多い。ポ語で日本史や日本文化を伝えることが重要」と考え最初にポ語版で執筆出版した。それを今回は日本語に翻訳するという珍しい手順を踏んだ移民史となっている。
 パーティ当日のみ50レアルで売られるが、その後は百周年協会(11・3209・3875)で70レアルで販売される。