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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2010年6月12日付け

 あの大東亜戦争の開戦前に連合艦隊司令官に就任した山本五十六大将は、対米戦争に猛烈に反対したが、時の政治的な流れに押され「短期決戦で和平を」と主張したとされるが、戦争は長期化し4年近くも戦いポツダム宣言を受諾しての敗戦となった。ところが―である。今は日本の政権の命が真に短く、内閣がもっと長く続けばいいのに―の思いが強い▼ご存知のように2007年から首相は毎年交代している。8日に菅内閣が発足したが、これも選挙管理内閣の評があるけれども、せめて2年や3年はもってほしい。党や閣僚の人事は、一見したところ反小沢派で固め「政治とカネ」を脱しようの意図が見え見えながら、鳩山前首相も小沢氏もこの問題について国への説明はなく、今もって疑惑は深い▼首相は初会見で「財政再建が重要」と語ったのは褒めていい。もう900兆円もの借金があるのだから、これへの対処を誤ると1億2000万人の国民は重い荷物を背負っての苦しい暮らしに追い込まれる。それには国債発行を極力抑え、緊縮財政に踏み切らざるをえまい。首相にその覚悟がありや―であり、沖縄の普天間基地の移転はもっともっと難しい▼ここでも「日米合意に基づいて」と言葉はいいが、沖縄県民を納得させるのは大変な粘りと辺野古へ移転するのが、基地負担軽減の近道と訴え説明し理解をえるのが大切なのを肝に銘じてほしい。と、新内閣には難問が山積しており、「県外」の「国外」とかの駄弁ばかりの夢物語は、ご免に願いたい。鳩山前首相の迷走と失政はもう許されません。(遯)