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コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2010年6月16日付け

 6月18日の移民の日が近づいてきた。今年も各地で先人追悼の行事が行われることだろう。
 他の国でも慰霊行事はあるだろうが、国や州・市が移民の日を定め、議会で顕彰する国はないはずだ。原始林を拓き、地域の発展と共に歩んできた移民・日系人の歴史があればこそだと思う。
 先日、法要の案内に来社したある県人会長が、「日本語が読めない世代になっても、法要には喜んで位牌や過去帳を持参してくれる」と話していた。二世の会長の「これだけは大事に、毎年やっていきたい」という言葉が印象的だった。
 サンパウロ市で移民の日法要が始まったのは移民50年祭の前年、57年だったと古参の仏連関係者に聞いたことがある。今年で54回。絶えることなく続けてきた結果の一つが、前述の県人会長の言葉に表れているようにも思った。(ま)