不渡り小切手の発行減少=カードの使用増加を反映
ニッケイ新聞 2010年6月23日付け
銀行業務集中サービス会社(Serasa)が21日、5月の不渡り小切手発行は同月としては04年以来最低の1・86%だった事を発表したと21日付G1サイトが報じた。
1~5月で見た場合も不渡り小切手は小切手発行全体の1・90%で、同期の数字としては06年以降最低。不渡り小切手の発行最多はアマパー州の12%、最少はサンパウロ州の1・45%だった。
Serasaでは不渡り小切手減少の原因を、残高不足の小切手は返却されるため債務不履行として扱われる事を嫌う消費者は残高に注意する事と、先付け小切手の発行減少を挙げている。
その意味で懸念されるのは、近年急激に伸びているクレジットカードの利用。銀行側は新中産階級に属する人のカード利用増加を歓迎する一方、利息が膨らむ事を考えず請求書記載の最低額だけ払う人がいる事や、カードで貸付を受けたり、分割や支払の先延ばしをした時の利息(238・3%/年)は一時貸付も出来る特別小切手の利息(161・3%/年)より高い事を知らない人も多いと案じている。
21日付エスタード紙によると、一般消費者向けの貸付に占める特別小切手の割合は、10年前の60%から34%に減少しているが、クレジットカードの割合は増加傾向にあり、4月には26・8%に達した。
4月のクレジットカード利用回数は2億2440万回。毎秒87件の利用があり、利用総額は171億レアルに上る。
同月の特別小切手枠利用は219億レアルで、今も個人貸付の最大の担い手ではあるが、カード利用の増加と共に、その割合はさらに減少すると見られている。
カード利用者による債務不履行増加を避けるためには、銀行による利用者への適切な指導が必要との声が出始めたのも、時代の趨勢を表したものといえそうだ。