ニッケイ新聞 2010年6月26日付け
第45回を迎えるアマゾナス州パリンチンスの奇祭「ボイ・ブンバ(牛祭り)」が25日より開催され、その熱い夜は27日まで続けられる。収容人数3万5千人の市内のブンボードロモを会場に3日間、午後8時より繰り広げられている。
同祭はインディアンの儀式や伝説、シャーマニズムといったブラジル文化の一面を堪能できるイベントだ。名物は、動物を模り、まるで生きているかのような躍動感をみせる巨大な山車。ワニやサル、蛇、フクロウなど様々な動物をイメージした山車は高さ約20メートルにわたるもので、内部操作では手足の動きや顔の表情にまでこだわりをみせる。
ボイ・カプリショーゾとボイ・ガランチードの2チームによって演出が競われる同祭では、赤と白にハートマークがガランチード、青と白に星マークがカプリショーゾのシンボルだ。
1965年より始められた同祭だが、競技となったのは翌年の66年から。00年度の引き分けを除き、これまでにガランチードが26回、カプリショーゾが16回優勝している。
昨年「感動」というテーマで優勝したガランチ―ドの今年のテーマは「情熱」。1日目は情熱と伝統、2日目は情熱と人生、3日目は情熱と大衆文化というテーマで3部構成の演出が練られた。アート部門を担当するフレッド・ゴエスさんは「応援者の強い思いがチームの力にもなる」と気合を込める。
対抗するカプリショーゾは、「緑の詩」をテーマに掲げる。今年もアマゾンの森林へかける愛情を謳い、環境問題を投げかけていく。昔カプリショーゾで歌っていた歌手を再びメンバーに迎えるなど、昨年の挽回に期待をかける。
24日の市内でのプレイベントには、ジョッタ・クエストなどの人気バンドも出演し盛り上がりをみせている。ボイ・ブンバには、大統領選候補者のジョゼ・セーラ氏とジウマ・ロウセフ氏も観に行くそうだ。市内各地では同祭開催期間中、並行して音楽ショーが続けられる。
パリンチンス市では、航空機や船の予約状況から、今年は3日間で約7万人の観光客が訪れると予測。パラー州サンタレンやアマゾナス州州都マナウスからの観光客が特に多いようだ。