ニッケイ新聞 2010年6月26日付け
国家衛生監督庁(ANVISA)が野菜、果物3130品のサンプルから農薬残留度の調査を実施したところ、安全基準とされている2・8%の残留度を越えた数値を示した作物が全体の29%に上った。24日付エスタード紙が報じた。
安全基準以上の農薬が残留したサンプルが一番多かったのはピーマンの80%。以下、ぶどうの56・4%、きゅうりの54・8%、苺の50・8%、キャベツの44・2%で、基準以上の農薬が残留した作物が発見された。
ブラジルはヨーローッパや米国、パラグアイなどで使用を禁止された農薬の主な輸出先とされていることも明らかとされているが、今調査からは234種類もの農薬が検出された。また、作物全体の23・8%に国内で許可されていない農薬が使用されていた。
反対に、安全基準以上の農薬残留を指摘されたサンプルが少なかったのはジャガイモ1・2%、小豆3・0%、バナナ3・5%、りんご5・3%、マンゴー8・1%だった。
ANVISAの専門家は「体内に蓄積した農薬は長い年月が経った後に病気を誘発する可能性があるほか、農薬による中毒症状が引き起こされる場合もある」と警告している。
ブラジルの調査で判明した農薬が残留している作物の割合は、米国の10%などと比べると非常に高いといえ、調査を担当したANVISAの主任も懸念の色を濃くしているのが実情だ。