ニッケイ新聞 2010年6月30日付け
W杯南アフリカ大会で初のベスト8を目指した日本代表が29日、強敵パラグアイ相手にPK戦までもつれ込む死闘の末に涙をのんだ。
試合の放送時間にはこの日もニッケイパラセホテル地上階のバー「サケリア」に十数人の観戦者が集まった。
延長戦では日本コールが湧き上がり、観戦者は手に汗る応援を繰り広げた。「走れ走れ!バイ!バイ!」と日本がボールを持つたびに日本語、ポルトガル語が入り乱れる歓声が沸く。肝を冷やす場面も多く、体を張る選手に大きな声援、歓喜の声が送られた。
試合は本大会初めてのPK戦にもつれ込む。
「止めろ川島~」の声が一本ごとに響く。「もう見てられない」とうつむく人、手を合わせ、祈りながら画面に釘付けになる人。一本のシュートが決まるごとに、会場は総立ちになった。
3人目の駒野。無情にも外れたシュートに会場から一瞬熱気が引いたが、その後も最後まで声を枯らした応援が続いた。
試合後には目をうるませた観戦者らが「君が代」を合唱した。平島英毅さん(72歳)は「良く頑張った。PKは運がなかっただけで日本は強くなりました。次のブラジルでのW杯が今から楽しみだ」と満足そうに話した。