ニッケイ新聞 2010年7月6日付け
10月3日に投票が行われる統一選の選挙活動開始を前に行われた最後の大統領選支持率調査の結果が相次いで発表され、民主社会党(PSDB)のジョゼ・セーラ氏と労働者党(PT)のジウマ・ロウセフ氏は実質的に同率のまま選挙戦に突入する事となった。
選挙裁判所への正式な立候補の届出は5日までで、打ち切られ、今日6日からは10月3日の投票日に向けた選挙活動が始まる。選挙公約なども5日が提出期日となるため、大統領選候補者も最後の調整に追われた時期に行われた支持率調査は、ダッタフォーリャとIbopeの2種。
ダッタフォーリャ調査は6月30日と7月1日に行われたもので、結果は2~3日付伯字紙が掲載。セーラ、ジウマの両氏と緑の党(PV)のマリーナ・シウヴァ氏の3人の支持率は、セーラ39%、ジウマ38%、マリーナ10%となっており、セーラ、ジウマの2人は実質的に同率だ。
一方、6月21日時点ではジウマ40%、セーラ35%で誤差を差し引いてもジウマ氏リードという結果が出たIbope調査でも、6月27~30日の調査では両者共に39%、マリーナ10%との結果が出たと4日付伯字紙などが報じている。
正式な選挙戦開始を前に発表された主要候補の支持率変化は、6月21日のIbope調査後に流れた、セーラ氏が登場するテレビ、ラジオでの番組の影響の大きさを示唆するものでもある。
その意味で、8月からの無料放送で10分25秒を得たジウマ氏、7分6秒を得たセーラ氏、1分12秒のみのマリーナ氏がいかに効果的な宣伝番組を作るか、テレビやラジオ以外の方法ではどうやってアピールするかも選挙戦の大きなポイントになる。
大統領選候補者としては初めての北東伯水害被災地訪問を行ったセーラ氏は3日、当選の暁にはアラゴアス州が国に返済している年約4千万レアルの負債を同州への投資に振り替えると約束。票田の南東伯中心に選挙民との個別接触を行う事で支持率拡大を図る意向の同氏の目玉は、工業化促進と治安対策、専門教育を含む教育推進で、麻薬対策では、国境や空港、港湾部の警備強化で麻薬流入を防ぐと共に、保健部門と連動したプログラムで中毒患者蔓延を阻止するという。
北東伯が主たる票田として、ルーラ政権の政策継続を訴えるジウマ氏の目玉は社会政策。教育の質の向上や、市街化を含む貧困対策、税制改革なども訴えるつもりだ。
環境問題で知られるマリーナ氏は、〃持続可能な〃の言葉がカギ。経済発展はもちろん、すべての人に平等なチャンスをもたらすための教育改革などを説く。放送時間の不足は公開討論などへの参加で補うため、各種問題についても更に見聞を深めているという。