ニッケイ新聞 2010年7月7日付け
2日のW杯でブラジル代表チームが負けた翌3日、W杯と関連性のあったテレビの宣伝が早々と2014年を目指すものに入れ替えられ、〃さすが〃の一言。人の心の機微や流行を読み取り、タイミングを逃さないというのは広告業界の鉄則で、色使いも含むイメージ構成力や創造性、意外性に富んだ発想はブラジル業者の持ち味とか。一方、サンパウロ市内にある世界的に知られる漫画家の養成機関紹介記事は4日エスタード紙。その割には、テレビで流れる漫画には日本の作品がかなり目立つが…。
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日本語に「験(げん)を担ぐ」という表現があるが、W杯でのブラジル敗退の原因の一つにロック歌手のミック・ジャガー観戦を挙げる人がいる。同氏が観戦した決勝トーナメントの試合では、クリントン元米国大統領の隣で見ていた対ガーナ戦で米国が負け、彼の出身国英国もドイツに4対1で負けた。子供がブラジル籍だからと見に来た事がブラジル敗戦の理由といわれるとはつゆだに思わずだった筈。ドイツの監督は、英国に4対1、アルゼンチンに4対0で勝った時の青のセーターを洗わないまま使ってくれと頼まれたというが、ブラジル戦も含む全戦で勝ち星を挙げ、準決勝の対ウルグアイ戦も圧倒的勝利のオランダの験はどこに?
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各国からの移民定住で世界各地の料理が日常的に味わえるサンパウロ市だが、最近のピツァには、鶏の心臓やピカーニャ、イカのほか、エスフィハをのせた物まであると聞きびっくり。苦味もある野菜のジローやダチョウの肉を使ったものはあまり好評ではなかった様だが、試食してみた人達がOKを出せば店頭に並ぶという柔軟さには脱帽。日本食の寿司にもカリフォルニア巻きがあったりするから、現地調達できる食材登場は当たり前か。