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サンパウロ市に広がる緑の商品=地球と共に築く暮らし
ニッケイ新聞 2010年7月14日付け
食の安全や環境に関心のある人が増えた事もあり、サンパウロ市では商店やフェイラに〃緑の波〃が広がっていると11日付エスタード紙が報じた。
無農薬などを売り物とするオーガニック商品や天然素材の服など、地球にも人にも優しい商品の開発や流通は、必要もない品を購入する事を戒める考えなどと共に静かな広がりを見せており、地球との共存を目指す人々から歓迎されている。
例えば、成長までに何トンもの水や穀物などを消費する牛の肉も、どんな方法で作られた牧場でどんな餌を与えて育てたかを保証してくれる店で買い、暴飲暴食の材料にはしないという消費者の手に渡れば、地球には優しい消費方法となる。
値段が張るのが玉に瑕だが、有機農法・無農薬のオーガニック野菜や果物、それらの加工品を食する人は、土壌汚染や水質汚濁の広がりを避ける事が出来る。
農薬の空中散布などを行わない小規模農家が生産する素材からとった天然繊維を天然素材の着色料で染め、化学薬品の使用を避ける服飾業者や、買い物袋持参や再生材料を使った包装かなどに留意し、プラスチック多用回避や自然保護を心がける消費者の存在、購入前に本当に必要か否かを考えて無駄を排除する姿勢や、水をリサイクルして工業排水を減らすなど、環境に気遣う業者の商品かといった知識も、環境や持続性に着目する緑の思想の一端を担う。
消費者が購入した品物の3分の1はゴミになるというブラジルで、天然素材の服の売上が年150%伸び、地球に優しい商品である事を証明するマーク付き商品が08年比12%増の360社で生産されるようになったとの報道も、市民意識の高まりの反映だ。