ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 統一選の有権者1.358億人=4年間で7・8%増加=希望投票は過去3回下回る=少子化傾向が数字にも?

統一選の有権者1.358億人=4年間で7・8%増加=希望投票は過去3回下回る=少子化傾向が数字にも?

ニッケイ新聞 2010年7月22日付け

 高等選挙裁判所が20日、今回の統一選挙の有権者は1億3580万人と発表した事を21日付伯字紙が報じた。史上最高とされた7、8日付報道の1億3408万人を上回り、2006年選挙時の7・8%増となったが、16、17歳の有権者(投票希望者)は過去3回の選挙を下回る239万人のみだという。

 ブラジルでは18歳以上を成年と見なし選挙人登録と投票を義務付けているが、18歳未満であっても希望すれば投票権が与えられるようになったのは1988年の選挙法改正以降。選挙人登録を済ませた人数の最終統計で未成年の選挙人登録者が減少した事は、選挙裁を驚かせたようだ。
 というのは、選挙裁判所では2006年以来、16歳、17歳の未成年者も積極的に投票権を行使するよう働きかけてきたためで、2002年に221万人、04年に365万人だった未成年登録者は、06年に256万人に減少したものの、08年には再び292万人に増加していた。
 選挙裁では今回の未成年登録者の減少が何に起因するものかと首をかしげているというが、一つ可能性があるのは徐々に進む少子化の影響だ。
 1月3日付エスタード紙によると、人口に占める14歳以下の子供の割合は1965年頃をピークに下降を開始。
 反対に15~64歳の人の割合は同年頃から増加中だが、こちらも2020年の70・4%を境に下降し始めると予想されている。
 一方、1950年以降徐々に増え続けているのは65歳以上の層。90年代以降上昇度が増しており、高齢化が進んでいる事を表している。
 有権者全体で見ると、51・8%にあたる7040万人が女性。最も有権者が多いのは25~34歳の3279万人で、以下45~59歳の3075万人、35~44歳の2676万人と続く。
 25歳以上の層は皆、06年選挙時より登録者数が増えているが、24歳以下では16歳が微増以外、登録者数減少というのも、有権者の年齢が全体的に底上げされている証拠といえそうだ。
 支持率調査で差が出る要因の一つでもある学歴別は、文盲5・9%、読み書きは出来る14・57%、小学校か中学中退33・09%、中卒7・60%、高校中退18・95%、高卒13・19%、大学中退2・76%、大卒3・83%。
 州別有権者数を各州の下院議員定数で割った数は、有権者数最多(3030万人)のサンパウロ州の43万2877人が最高。同2位(1452万人)のミナス州は27万4002人、3位(1159万人)のリオ州25万1951人、4位(955万人)のバイア州24万4895人、5位(811万人)の南大河州26万1685人など、ブラジルでも1票の重さには差がある事が実証された。