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ゴムの木がカカオを救う=日陰と雇用創出し収入増も

ニッケイ新聞 2010年7月22日付け

 1980年代に〃魔女の箒(ヴァッソーラ・デ・ブルッシャ)〃と呼ばれる病気が流行り、大被害を受けたバイア州南部のカカオ栽培地で、ゴムの木などの並行栽培開始と21日付フォーリャ紙が報じた。
 15万ヘクタールにのぼる同州カカオ栽培地の多くは単一栽培。菌により広がる病気蔓延を防ぐと共に新しい収入源を得る事は、借財も抱えたカカオ農家の急務だった。
 そこで試験的に導入された方法はカカオと共にゴムやバナナの木を植えるというもの。成長が早く2年も経てば収入源となるバナナや、適度な大きさになるまで8年かかるが収入はより大きなゴムには、カカオのために日陰を作り病気蔓延を防ぐと共に、新規雇用や炭酸ガス削減効果を生み出すとの期待がかかる。
 プロジェクトの完全導入には6年で6億8千万レアルが必要だが、資金調達は難航。それでも、ヘクタールあたりの収入が1800レアルから1万800レアルに向上するとの試算に賭ける農家中心に、バナナやゴムの植樹が進み、並行栽培面積は1万2千ヘクタールに及んでいるという。