ニッケイ新聞 2010年7月31日付け
ゾンビが人の頭を刎ね殺人を重ねるホラー映画「ハイランダー/悪魔の騎士」に比喩されるような、異様な殺人事件を起こした軍警4人に18年8カ月の実刑判決が下された。
30日付伯字紙によると、今回判決が下った事件は、サンパウロ市南部のジャルジン・カペラで2008年10月8日に起こったもの。当時31歳だった精神障害者を連れ去り、殺害。首と両手を切り落とし、腹部を十字に切り裂くという残虐な殺害方法は、周囲の住民を恐怖に陥れた。
同事件は、当時繰返されたバラバラ殺人の一つで、イタペセリーカで発見されたバラバラ殺人被害者4人の内、3人については、14人の軍警が関係していたとして捜査が進められていた。
実刑判決を受けた軍警らは、37分署所属で、他の警官らと共に、地域の青年らに盗みを強い、拒んだ者を殺していたという。ハイランダー事件として知られた事件のその他の被害者は、08年5月に殺害された19歳と20歳の青年。
判決直後、支援者に囲まれて裁判所の床にひざまずいた31歳の青年の母親は、「やっと正義がなった」とその喜びと安堵の思いを口にした。