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YOSAKOI祭りに5千人=グルッポ・サンセイが5連覇=初参加のチームも大健闘=「交流どんどん高めたい」

ニッケイ新聞 2010年7月31日付け

 ブラジルYOSAKOIソーラン協会(浜崎マルセリーノ会長)主催の第8回YOSAKOIソーラン・フェスティバルが25日、サンパウロ市のビア・フンシャルで開催され、各地から初出場も含めた17チームが華麗な舞いをみせた。正午と午後5時からの2回に分けて行われた大会には、計5千人が来場。今年は日本からYOSAKOIソーラン祭り組織委員会の星野尚夫会長、日伯YOSAKOIソーラン協会の長沼昭夫会長、鮎川季彦事務局長、札幌商工会議所の菊嶋明廣常務理事も出席し見守る中、ロンドリーナのグルッポ・サンセイが5連覇を成し遂げた。

 今年はサンパウロ市、サンパウロ州(アチバイア、モジ、ビリグイ、カンピーナス、ビリチバ・ミリン、ミランドポリス、バストス、ブラガンサ・パウリスタ、リベイロン・プレット)、パラナ州(ロンドリーナ、マリンガ、パラナバイ、クリチーバ)、南マ州カンポ・グランデ、アマゾナス州マナウスから参加。児童の部に5チーム、成人の部に12チームが出演し、練習の成果を競い合った。
 各チームのレベルが上がり接戦となる中、今年もチームワーク良く迫力ある演技をみせたグルッポ・サンセイがグランプリを獲得。日本から特別輸入の生地で作った衣装、オリジナルの音楽を用い、今年は「先祖への感謝の気持ち」を演技に託した。
 ブラジルで5連覇を成し遂げたグルッポ・サンセイの今後の目標は、札幌市で開催される本場のYOSAKOIソーラン祭りで日本のチームと競うこと。コーディネーターの樫木アリーネさん(三世)は「2008年に訪日して特別参加してから、今度は日本のチームと互角に競ってみたいという思いがチームに強くなった」と意気込みを見せた。
 初出場で成人の部1位に輝いたのは、パラナ州のACEMA(マリンガ文協)から参加したグルッポ最強。琴の演奏を加えて、華やかな舞台を作り出した。リーダーの田村カミーラさん(16、四世)は「予想していなかった結果。本当に嬉しい」と感激し、「来年もぜひ参加したい」と話していた。
 サンパウロ州のモジ・ダス・クルーゼス中央日本人会で1年半前に結成し、同じく初出場の花火ソーランは、児童の部で31人の子供たちが元気いっぱいに踊り、札幌YOSAKOIソーラン祭り特別賞が贈られた。
 審査を務めた星野委員長は「情熱がすごい。日本のチームと比べてもひけを取らない」と評価し「YOSAKOIソーランの真髄はブラジルにも伝わっていた」と大会の様子に胸を熱くしていた。
 長沼会長も「独創性があり、皆すごく楽しそうに踊っていたのに感心した」と話し、「日伯のYOSAKOIソーランの交流をどんどん高めていきたい」と力を込めた。
 大会結果は以下の通り。【グランプリ】=グルッポ・サンセイ、【児童の部】▼1位=ビリグイの友達、2位=ビリチバ・ミリン日本語学校、3位=アリアンサの力【成人の部】▼1位=グルッポ最強、2位=無限(パラナバイ)、3位=風河火山(マナウス)【札幌YOSAKOIソーラン祭り特別賞】=花火ソーラン、一心(サンパウロ市)【飯島秀昭賞】=若葉(クリチーバ)

「日本のチームにも刺激」=本場から初の公式視察団

 今年のフェスティバルに合わせ、日本のYOSAKOIソーラン祭り組織委員会の星野尚夫会長らが来伯し、ブラジルのYOSAKOIを初めて視察した。一行が着聖した23日夜には、サンパウロ市内レストランで北海道協会関係者を交えた歓迎会も行われた。
 昨年会長に就任し、このたび初来伯した星野氏の胸には、来年のブラジル・フェスティバルに日本からの遠征チームを送り出したいという思いがあるという。
 YOSAKOIを通じた日伯間の直接の交流は、07年の日伯YOSAKOIソーラン協会発足後、08年にグルッポ・サンセイが札幌市で開催されたYOSAKOIソーラン祭りに特別出演したことに始まる。鮎川季彦事務局長も「日本のチームが大きな刺激を受ける機会になった」と振り返っていた。
 来年の札幌市での開催には、グルッポ・サンセイが再度出演したいと自ら名乗りを挙げているなど、両国間の交流は、今後も益々高まりをみせそうだ。