ニッケイ新聞 2010年8月3日付け
ブラジル世論調査・統計機関(Ibope)が7月末に行った大統領選の支持率調査によると、労働者党(PT)のジウマ・ロウセフ氏の支持率が39%で、34%だったジョゼ・セーラ氏を5ポイントリード。決選投票での支持率も、現時点では46%対40%でジウマ氏がリードと7月31日付エスタード紙が報じた。緑の党(PV)のマリーナ・シウヴァ氏支持率は7%だった。
7月26~29日に174都市、2506人を対象にして行われた調査での支持率は、ジウマ氏が3ポイント上昇して39%、セーラ氏は2ポイント落として34%で、上下2%の誤差を差し引いてもジウマ氏ややリードという結果が出た。
セーラ氏とマリーナ氏の支持率の合計は41%で、ジウマ氏の39%とは2ポイントの差があるため、1回目の投票での勝利はまだ無いが、決選投票を想定した支持率は46%対40%でジウマ氏有利の状況のようだ。
今回の調査で注目されるのは、セーラ氏の票田である南東伯での支持率が37%対35%でジウマ氏リードとなった事。
南伯の支持率は31%対46%で、依然としてセーラ氏が強いものの、北東伯では49%対25%でジウマ氏のリードが広がった他、6月末にセーラ氏支持率が上がった北伯/中西伯も40%対33%と、ジウマ氏が再びリードしている。
7月24日付フォーリャ紙が報じたダッタフォーリャ調査(7月20~23日実施)では、ジウマ氏36%、セーラ氏37%、マリーナ氏10%と二者均衡であったのと比べ、調査毎に微妙な差が出ているようだ。
ジウマ氏の支持率上昇は、選挙キャンペーン会場にルーラ大統領が来た時は最後の締めくくりに大統領が演説を行うなどにより、大統領の推薦者はジウマ氏との認識が広がってきている事の表れで、拒絶率も19%に低下。候補者名を見せる前に支持者の名を聞くエスポンタネア調査では、ジウマ氏27%、セーラ氏19%で8ポイントの差がついている。
他候補の拒絶率はセーラ氏24%、マリーナ氏13%で、PVはマリーナ氏の拒絶率が他の候補より低い事を今後に望みをつなげると歓迎。
ジョゼ・エドゥアルドPT党首は、両者の差は小さいが、ジウマ氏の支持率はどの調査でも上昇傾向にあり、セーラ氏が下降傾向にあるのと対照的だと指摘。一方、セルジオ・ゲーラPSDB党首は、結果は注意深く分析されるべきだが、数だけを見て一喜一憂する必要はないと平静を保つ姿勢を見せている。
今月以降は、3候補が参加する討論会、テレビなどの無料放送も繰返されるようになり、各候補の政策や真価が問われる場面も増えてくる。