ニッケイ新聞 2010年8月4日付け
10月3日に投票が行われる統一選立候補者達の資格検査が進んでおり、サンパウロ州からの立候補者は46・5%に立候補差止めの可能性があると3日付エスタード紙が報じた。政界汚職撲滅を目指して成立したフィッシャ・リンパ法適用の対象となる立候補者は、最多とされるサンパウロ州で2日現在60人と報告されている。
サンパウロ州の選挙検察局が2日午後発表した数字によると、立候補差止めとなる可能性があるのは、選挙裁判所に立候補を届け出た3167人中46・5%にあたる1475人で、候補者の約半数は投票以前に脱落となりかねない勢いだ。
サンパウロ州の場合、立候補者のリストが数回に分けて発表されているため、2日の発表は、3回目のリストで発表された候補者までを対象とした数字。大半は無犯罪証明書などの書類不備や会計検査院から問題を指摘されているケースだが、フィッシャ・リンパ法に触れて差止め申請者リストに掲載された候補者も60人いるという。
フィッシャ・リンパ法の対象となる立候補者については、7月30日付エスタード紙が全国では少なくとも338人が立候補差止めとなる可能性ありと報じており、その時点でのサンパウロ州の対象者は46人。大物として名前も出たのは、元サンパウロ市長で下議再選を狙うパウロ・マルフ氏。同氏の立候補差止め申請は7月28日に出されていたもので、「私のフィッシャは全伯一きれいだ」と言って立候補した本人は、現在も「正義は成ると信じている」と発言している。
また、今回の差止め申請者リストに名前が出たフィッシャ・リンパ対象者は、労働者党ジウマ・ロウセフ大統領候補の選挙参謀として会計役を務めるフィリッピ・ジュニオル下議や、アララス市の元市長ルイス・カルロス・メネゲッチ氏、アベラルド・カマリニャ下議など。
サンパウロ州での立候補の届出は、裁判所職員のストなどのため受付が4日まで延長される可能性があり、3日付エスタード紙記載の立候補者数(州議候補1914人、下議候補1261人)が、3日朝には1938人と1265人に増えている。
2日までに立候補差止めの申請が出されたサンパウロ州の立候補者は、州議859人、下議587人などで、選挙裁では5日までに立候補を認めるか否かを判断。疑問がある場合の捜査期間は19日までで、州選挙裁判定を不服とする候補者は、高等選挙裁判所や最高裁の判断を仰ぐ事も出来る。
全国での立候補差止め申請数は報じられていないが、7月29日までのフィッシャ・リンパによる差止め申請は、サンパウロ州の46人を始め、マラニョン40人、ミナス31人、ロンドニア25人、トッカンチンス23人、ロライマ20人などとなっている。