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輸入に食われる輸出増=黒字は前年同月比53%減

ニッケイ新聞 2010年8月4日付け

 3日付エスタード紙によれば、7月の貿易収支は、輸出が好調であったにも拘らず、前年同月比53・34%減となる13億5800万ドルに止まった。
 市場関係者が17~20億ドルと期待していた貿易収支の黒字が13億6千万ドルに止まったのは、輸出の回復を上回る勢いで輸入が増加したため。7月の輸出は176億7400万ドル、輸入は163億1800万ドルで、どちらも7月としては、08年7月に次ぐ史上2番目の実績を挙げたが、前年同月比30・7%増の輸出に対し、輸入は51・9%増で、黒字額が縮小した。
 今年1月に赤字を計上した後は回復を見せた貿易収支だが、5月に35億ドル弱を記録した後は黒字が縮小し、7カ月間の累積も、昨年同期の168億1800万ドルを45・1%下回る92億3700万ドルの黒字となっている。
 輸出の好調は、中国への鉄鉱や大豆カスなどの輸出や、アルゼンチンへの車や電子機器などの工業製品輸出の増加に支えられたもの。両国への輸出は前年同月比で各々66・2%と60・3%の増加を記録している。
 これに対し輸入では、年頭から増加傾向が続くアルゼンチンや韓国、メキシコからの車輸入など、資本財の輸入増が目立つ。7月の資本財輸入の増加は61・4%に達している。
 輸入の増加は為替が有利に働いている事もあるが、依然として続く国内消費加熱を支えるために国産品より安い外国製品を輸入する傾向が続けば、国内産業にも影響が及ぶ。州によっては関税を引き下げて輸入を促進している所もあり、在庫を増やすために輸入を前倒ししている業者まであるという。