ブラジル国内ニュース(アーカイブ)
女性救出用の法廷普及=家庭内暴力の防止目指し
ニッケイ新聞 2010年8月7日付け
サンパウロ市バーラ・フンダで開設された国内初の女性に対する家庭内暴力問題を特別に扱う法廷が成功を収めており、同種の特別法廷をサンパウロ市セントロにも設置する計画が持ち上がっている。5日付エスタード紙が報じた。
バーラ・フンダの法廷は、今まで犯罪法廷で扱われていた家庭内暴力を専門に扱う機関として試験的に開設されたもの。運営開始3カ月間は49件の相談しかなかったものの、1年半が経過した現在までには4006件のケースを扱っており、再犯率も5%という低い数字が出ている。
判事のアンジェリカ・デ・マリア・デ・アルメイダ・メロさんは、「同法廷の役割は単に加害者を罰するだけでなく、家庭内暴力の再発を防ぐことにある」と説明する。
同法廷には、カウンセラーやソーシャルワーカーで構成された専門家チームが待機。加害者と被害者双方の面接を行って必要なケアを提示しており、加害者にはアルコール依存症者の断酒グループを薦めることが多いようだ。
また、男性向けに家族のあり方を訴える特別なコースも設けていて、そこではいさかいを対話の中で解決する方法を提案している。