ニッケイ新聞 2010年8月11日付け
1年前にルーラ大統領がアフリカ大陸での銀行業務の推進を奨励した通り、ブラジル銀行(BB)とブラデスコは同大陸で100年の営業経験を持つポルトガルのエスピリト・サント銀行(BES)の業務を一部買い取り、アフリカに進出することを決めた。10日付伯字紙が報じた。
アフリカですでに営業を確立するBESはアンゴラに30支店、リビアに20支店を開くほか、モザンビーク、アルジェリアでは現地銀行と提携を結ぶ。カーボ・ベルジでも近年新たなサービス網を作り、モロッコ、アフリカ共和国にも業務を広げてきた。昨年は、同大陸で2億米ドルの収益をあげている。
互いに株を所有しているBESとブラデスコは以前にも提携関係があり、今回そこにBBが加わる形となった。3社はホールディング・カンパニーを形成し、BES銀行がすでに展開しているサービスを介してアフリカに進出するブラジル企業の活動を支援する。
同グループは現地銀行の業務委託や合併・買収を視野に入れているほか、特に同大陸で最も著しい経済成長を遂げるアフリカ共和国での業務拡大を目指す。
ブラデスコ銀行のルイス・カルロス・トラブコ・カピ社長は、「アフリカ大陸は経済成長を遂げる最後の砦。他国が入り込む前に、我々が進出を図る」と強調する。同大陸の銀行顧客は、いまだ人口の15%を占めるに過ぎないという。
同グループの具体的な運営モデルが示されるのは、60~90日後となる。