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廃墟ビルが専門病院へ=聖連邦大学が設置乗出す

ニッケイ新聞 2010年8月12日付け

 サンパウロ市南部ヴィラ・クレメンチーノ区に10年も放置されていた廃墟ビルが、UNIFESP(サンパウロ連邦大学)によって、事故に巻き込まれたりして負った精神的な傷を伴う患者に対応できる新たな専門病院へと作り変えられようとしている。11日付エスタード紙が報じた。
 その建物は、もともと医療業界のUNIMED社が病院設置を計画して建設していたもの。70%まで完成していながら、突然の経営悪化により建設工事がストップしたままとなっていた。建物は売却後も放置され、落書きだらけの廃墟と化していた。
 1週間前に現在の所有者により売りに出された建物は、医療業界の注目を集めた。それというのも、建物の位置するアフォンソ・バカリ街はルーベン・ベルタ大通りにほど近く、救急車の出動など交通のアクセスが良いため。また、交通事故発生率が高いヴィンチ・エ・トレス・デ・マイオ大通り、バンデイランテス大通りに近いことも挙げられる。
 今回、建物の取得を予定するUNIFESPは火事、飛行機事故、倒壊といった不意の事故に巻き込まれたトラウマがあり、精神的なケアも必要とする特別な患者も受入れ可能な専門病院を設置する計画だ。国内では、同種の総合医療機関は初めてとなる。
 建物の敷地面積は3500平方メートルで、253台の寝台の設置が可能と見積もられる。建物の売却額は、現時点では6500万レアル。

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