ニッケイ新聞 2010年8月13日付け
ルーラ大統領は核燃料サイクル計画の遅れを取り戻すべく、来年度予算案にウラン濃縮工場設置のために1億2700万レアルの投資を盛込むことを決めたと11日付エスタード紙が報じた。
ブラジルはウラン保有国であると同時に、濃縮加工技術を有している稀な国として期待されている。国内の消費需要も増しており、現政権は2034年までに9工場の設置を目標としていた。
同計画では、2013年に国内消費分の自己供給を達成し、その後は、国内消費超過分を外国に輸出する意向でいたが、自己供給目標は2014年に繰り越された。
前述の投資額は、新たなウラン濃縮工場設置のため今後3年間に必要と推定される3億4800万レアルの予算の初年度分で、1986年から中断されているAngra3の工事再開と共に、2014年までに少なくとも4カ所に1千MWの工場を建設することを前提に算出された。4工場のうち2工場は、北東部のサンフランシスコ川沿いに建設される予定だ。
来月には、サンパウロ州地方に試験的に最初のウラン濃縮工場が開設される予定。年間40トンの精製を目指す。