ニッケイ新聞 2010年8月18日付け
国内最大手の航空会社TAMとチリのLANが合併することは13日に発表されたが、同日のTAM株が発表時刻前から上がり始め、最終的に27・64%の急上昇をみせたことに専門家達が疑いの目をむけている。有価証券取引委員会(CVM)は、事前に情報流出の不正がなかったかどうか捜査を開始した。17日付伯字紙が報じた。
企業の重大な取引公表時には、CVMでも公表によるその後の株価変動を予測しているが、今回の動きは予想に反する大きなものだったという。専門家らは、今年上半期に1億177万米ドルの赤字を生み出していたTAM株の上昇は、LANとの合併発表後も限られたもので、下半期には大きな変動は見られないと予想していた。
CVMはTAMとサンパウロ証券取引所に情報の開示を求めているが、不正行為が見つかった場合は、検察庁とともに、今回の発表に基づく取引で流動した資産の凍結を求め、裁判へと持ち込む予定だ。