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大統領選もオンライン討論=各候補の緊張感高まる=劣勢挽回を目指すセーラ=マリーナまで攻撃口調に

ニッケイ新聞 2010年8月20日付け

 18日にサンパウロ市で行われた大統領選候補者3人による公開討論は、支持率調査の結果も反映して白熱したものとなり、世界的な関心も集めたと19日付フォーリャ紙が報じた。直前に結果が発表された3つの調査で劣勢にたち、緊張感が高まった民主社会党(PSDB)ジョゼ・セーラ氏など、丁々発止のやり取りが行われた。

 サンパウロ州知事選に次ぐ2回目のオンライン公開討論は、大統領選でも2回目の公開討論。サンパウロ州知事選の時同様、ダッタフォーリャの調査で10%以上の支持を得た候補という条件のため、参加者は、労働者党(PT)のジウマ・ロウセフ氏とセーラ氏、緑の党(PV)のマリーナ・シウヴァ氏の3者のみだった。
 オンライン討論は5部に別れ、最初の3部は候補者同士が質疑応答。主なものを見ると、マリーナ氏はジウマ、セーラ両氏に政治改革について質問、ジウマ氏は民主党(DEM)がProUniに関して採った態度についてセーラ氏に質問、マリーナ氏には「ミーニャ・カーザ、ミーニャ・ヴィダ」に関する質問を投げかけた。
 また、セーラ氏は、国家高等教育試験(Enem)の問題漏洩やPSDB副党首の個人情報も含む機密文書(ドシエー)事件についてジルマ氏に質問、マリーナ氏には青年向けの技術教育についての質問を投げかけた。
 世界127カ国からもアクセスがあったという公開討論は、UOLNoticiasだけでも50%超の視聴率で、同番組やフォーリャ・オンラインへのアクセスは3千万回を超えたという。
 オンラインという性質上、ProUniについて最高裁に訴えたのは同制度の法的な問題点を正すためで、制度そのものに反対したのではないとジウマ氏の説に即座に反論したDEM党首など、討論の場に駆けつけた聴衆や視聴者からの反応が伝わるのも早く、手応えを実感した筈の候補達。
 上下水道などの衛生関係と教育に関する応酬が目立ったという討論では数字の間違いなどもあったが、全体を通し攻撃的なトーンだったのはセーラ氏。ダッタフォーリャではジウマ氏と8ポイント差だったセーラ氏は、その後のIbope調査でも46%対35%の11ポイント差。ボックスポプリ調査に至っては45%対29%で16ポイントもの差とあり、劣勢挽回のためとの思いが強く出た様だ。
 この点は2大候補との差が縮まらないマリーナ氏も同様で、支持率拡大と決選投票までの生き残りをかけ、最初はセーラ氏、最後はジウマ氏にも矛先を向けた。
 今回の公開討論に先立つ17日には、副大統領候補3人による公開討論も行われており、ルーラ大統領の後継者を謳うジウマ氏と保健行政の経験者を前面に出すセーラ氏らの論戦は益々鋭さを増してきそうだ。