ニッケイ新聞 2010年8月21日付け
「天皇陛下バンザイ!」には正直驚いた。
先日開催された日本人の心の歌歌謡ショーの会場でのことである。
軍歌、軍服、直立不動で最後にはビシッと敬礼。軍艦旗が振られる場面もあった。
戦争ー。平成生まれに程近いコラム子には正直、イメージが湧かず、初めての光景にただただ見入った。
と同時に、今の日本人がこの瞬間だけを見ると、誤解されるかもしれないなと思った。
冒頭の発声を行った羽田宗義さんは、「戦争当時の事は、闇雲に歪められてしまっている」と嘆くように話していた。戦死した同期たちを思ってのことだろう。
ただいたずらに歴史に蓋をするのではなく、同じ過ちを繰返さないためにも、冷静な目で当時の日本を知る必要があるのではないか、と考えさせられる日となった。(秀)