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リオ=UPP増強に寄付集まる=五輪やW杯開催に向けて=ファヴェーラの治安改善急ぐ

ニッケイ新聞 2010年8月26日付け

 21日に軍警に追われたファヴェーラの麻薬密売者グループが市内を逃げまとい、一部は高級ホテルで35人を人質に立て込もるという事件が発生し、世界中がオリンピック、サッカーW杯開催を懸念しているリオ市で、24日、平和駐留部隊(UPP)強化を目的にEBXグループ社長のエイケ・バチスタ氏と4団体がリオ市に寄付を行った。25日付エスタード紙が取り上げた。
 UPPはファヴェーラの犯罪組織を取り締り、地域の統制を図る役割を担う。現在ファヴェーラ内に設置されているのは10部隊で、さらに2部隊の設置を準備中。現在配属されている警察官は2200人だが、州政府目標は2014年までに40カ所のファヴェーラへの部隊設置で、配属警官も毎年5千人増員という計画を立てている。
 エイケ氏は、「ファヴェーラの問題を解決すべく導入されたUPPは良く機能している。ブラジルはもとより、世界にも通用するモデルだ」とその活動の意義を説き、2014年まで、毎年2千万レアルの寄付を行うことを発表した。
 さらに、ブラデスコ・セグーロスが200万レアル、コカ・コーラが90万レアル、ソウザ・クルスが40万レアルをそれぞれ寄付すると約束しているほか、ブラジルサッカー連盟(CBF)がUPPの建物建設における後援を提示した。
 州治安局のジョゼ・マリアーノ・ベルトラメ局長は、「寄付された資金でなら、煩雑な手続きや企業の入札を実施せずに、迅速にプロジェクトを進めることができる」と期待し、UPPのロブソン・ロドリゲス大佐は「複雑なファヴェーラの治安を守っていくために、最先端技術を導入していく」と力を込めた。
 CBFのリカルド・テイシェイラ会長は21日の事件に関し「異例な出来事だった」と話しながらも、オリンピック、サッカーW杯開催に向けたプロジェクトに支障は出ないとしている。
 同事件の捜査は市内の防犯カメラに残っていた映像から犯人の割り出しを行っている段階で、ホテルに立て込もり逮捕された犯人10人は、ロンドニア州ポルト・ヴェーリョに移送された。