ニッケイ新聞 2010年8月27日付け
大統領選を巡る機密文書(ドシエー)事件で、6月に明らかになった民主社会党(PSDB)エドゥアルド・ジョージ副党首の所得申告の内容漏洩に加え、同党幹部ら3人の個人情報も不法に閲覧されていたと26日付伯字紙が報じた。
PSDB副党首の個人情報入手は労働者党(PT)のジウマ・ロウセフ氏の選挙参謀が対立候補追落しに利用するためであったと見られており、PSDBのセーラ氏がPTは選挙のためならどんな手段でも使うと糾弾する材料にもなっていた。今回不法閲覧が判明したのは、カルドーゾ政権で通信相を務めたルイス・カルロス・メンドンサ氏と、ブラジル銀行元頭取のリカルド・セルジオ・デ・オリヴェイラ氏、セーラ氏のいとこの配偶者グレゴリオ・マリン・プレシアド氏だ。
3人の情報はエドゥアルド氏と同じ日に同じコンピューターで閲覧されており、税務処理上の必要のためとの従来の見方を覆し得る。
今回のドシエー事件は捜査の進展が早く、情報閲覧者の名前も明らかになるなど、F・H・カルドーゾ元大統領を巡るドシエー事件の時と展開がまるで異なるが、一般国民にとっても個人情報の漏洩は生活を脅かす。選挙戦への影響云々は抜きにしても、事実関係の究明と再発防止は必須といえる事件だ。